柳井 正『一勝九敗』

一勝九敗 (新潮文庫)

一勝九敗 (新潮文庫)

いろいろ悩むところあり、この手の「修羅場くぐってここまで来ました」的本を読みたくなって購入。というか出張に来た後輩に日本から持ってきてもらった。

ぜんぜん大したことは書いていない。目標は高く持て、現状維持は敗北だ、どんどん新しいことをやれ、けど新しいことは10回やって1回しか成功しない、だから失敗したらすぐに撤退しろ、、、あまり目新しさはない。この方がすごいのは、(1)失敗したほんとうにすぐにやめていること、(2)徹底した行動主義を貫くこと、にあるんだろうなと思う。

失敗の話。本書にもういくつか失敗した事業の話もあるが(ロンドン進出の話とか)、実際撤退も素早いようだ。だから、(期待に反して(?))あまりどろどろした感じもしない。ただ、実際撤退って決めるのも実行するのもすごーーく難しいのだろうけども。人生でも。仕事だけじゃなく、習い事も、つきあいも、ナンパも、結婚も、引っ越しも。
これがすごいところその一。

その二。<極論すると、商売というのは実践である。経営も実践。頭だけで考える、あるいは知識先行で考える人は、課題や問題点を全部整理して、優先順位をつけて、「これはこういうことです」という現状分析だけで停止してしまい、実践までたどり着かない。実践できたとしても、実践しながら今度は考えなければならない。実践しながら考えるというのは、「身体を使う」ということであり、場合によっては単純なことを繰り返してやらないといけないこともある。当然、時間もかかるし、思ったようにいかないことが多い。> (p. 137)

これも、普通のことを言っているんだけどね。なんかこの箇所、印象に残った。ということで来年、2011年の抱負は「実践」とすることに決めました。単純なことかもしれないし、思ったようにいかないかもしれないが、とにかく実践。何を実践するかは、これから。

★★★☆☆